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執筆者の写真仲村 賢

ケーキの切れない非行少年

昨夜は早く寝るつもりが、つい夜更かししました。

その理由は「ケーキの切れない非行少年」の漫画版を読んでいたからです。

これは、少年院に入所している少年たちの話であり、

その治療にあたる精神科医のお話でもあります。

少年院に入所する子供の中には一定数の知的や発達に障がいを持つ方がいるそうです。

その子たちは丸いケーキを3等分にすることができず、

いびつな図を書くようです。

本来、3等分であれば、ベンツのマークのように、〇の中にYを書きます。

しかし、非行少年たちは真っすぐ真ん中に線を引き、

その後、横棒を引くなど、じっくり考えて書けないようです。

これは、そんなケーキを3等分にするという考え方すら

書くことができない少年たちが

如何に世の中で生き難さを感じているのかを考えさせてくれます。

そのような非行少年たちの中には、少年院だと明るく、品行方正になる子がいます。

しかし、社会に出ると生きづらく再度、反省してから出所したにもかかわらず

犯罪してしまうことがあるそうです。

中には、知的の障がいにより、詐欺の受け子など犯罪に巻き込まれてしまうことや

騙されることもあるそうです。

凄く考えさせられます。

私は少年院に見学に行った際に、非行少年たちの習字作品を見て、

心の声とも言うような内容を拝見しました。

生きづらさを訴える言葉や、

学校で学んだことを大人の社会で行うと非難され、

どう生きれば悩む声も多くありました。

悪いことを見かけたら注意するように聞き、

職場の上司が悪いことをしているのをはっきり伝えた際に、

報復のように「いじめ、パワハラ」で退職に追い込まれることもあります。

これは、どちらが悪いのでしょうか。

難しい問題ですよね。

ケーキの切れない非行少年は存在します。

そして、その子たちが少しでも生きやすい世の中を作っていきたいと感じました。

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